Tomita, Isao (冨田 勲)
Japan / 1932.4.22 Tokyo  -  2016.5.5 Tokyo
[日本におけるシンセサイザーの第一人者。クラシックの編曲作品やドラマ等の音楽で有名。2012年には”初音ミク”を使った交響曲を発表した。]



●純音楽
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子どものための交響詩 ジャングル大帝 (1966) [Orch] ※当初より音楽教育目的で企画された作品。アニメ『ジャングル大帝』のサウンドトラックではない。2009年に改訂版発表。
青い地球は誰のもの (1970) [Chor/Pf]
ともしびを高くかかげて (1974) [Chor/Pf/Gt] ※NHK全国学校音楽コンクール高校の部課題曲。珍しくギターのソロが加わる。
交響詩「大地に花が歌う」 (1990) [Orch]
源氏物語幻想交響絵巻 (1998) [Orch] ※2011年に内容を拡張した「完全版」がリリースされた。
仏法僧に捧げるシンフォニー (2006) ※岩の反響などを利用した野外音楽。NHK-BSの番組内で演奏。その後一部に歌詞が付けられ『鳳来寺山のブッポウソウ』として『みんなのうた』枠で放送された。
イーハトーヴ交響曲 (2012) [HatsuneMiku,Chor/Orch/Electronics] ※宮澤賢治の小説や詩を題材とした全7楽章の作品。初演は渋谷慶一郎のボーカロイドオペラより2週間ほど早い(2012年11月23日、大友直人指揮)。曲中にダンディ『フランス山人の歌による交響曲』、ラフマニノフ『交響曲第2番』の旋律を引用。

●舞台音楽
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子供オペレッタ『みにくいあひるの子』 (1954)
子供オペレッタ『魔法の笛』 (1956)
バレエ音楽『火の鳥』 (1976)
舞台芝居『天守物語』 (1977) ※坂東玉三郎主演の舞台。後にLP化。

●映画音楽
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警視庁物語シリーズ (1959-62)
アラビアンナイト シンドバッドの冒険 (1962)
ガリバーの宇宙旅行 (1965)
おんな番外地 鎖の牝犬 (1965)
飢餓海峡 (1965)
北海の暴れ竜 (1966) ※何故か英語版Wikipediaに記事がある。DVD版では作曲者が小杉太一郎になっているとの事だが誤植なのかどうか詳細不明。
不信のとき (1968)
人のくらしの百万年 マニ・マニ・マーチ (1968) ※貯蓄の歴史を綴った子供向け短編学習アニメ映画。
兵隊極道 (1968)
怪猫 呪いの沼 (1968)
黒蜥蜴 (1968) ※深作欣二監督作品。三島由紀夫が制作に関わっている。1984年に舞台化された際も音楽を担当。
日本暗殺秘録 (1969)
千夜一夜物語 (1969) ※虫プロ制作の長編アニメ映画。
クレオパトラ (1970) ※同上。
座頭市 あばれ火祭 (1970)
新座頭市・破れ!唐人剣 (1971)
初笑いびっくり武士道 (1972) ※日本語版Wikipediaによればこのあたりからシンセサイザーを用いているそう。
御用牙 かみそり半蔵地獄責め (1973)
しなの川 (1973)
ノストラダムスの大予言 (1974)
夜叉ヶ池 (1979)
風の又三郎~ガラスのマント (1989)
学校シリーズ (1993-2000) ※山田洋次監督の連作。全4作品で音楽を担当。
ジャングル大帝 劇場版 (1997) ※テレビシリーズとは切り離されたオリジナルアニメ映画。
千年の恋 ひかる源氏物語 (2001)
たそがれ清兵衛 (2002)
隠し剣 鬼の爪 (2004)
ブラック・ジャック ふたりの黒い医者 (2005) ※アニメ映画。
武士の一分 (2006)
母べえ (2008)
おとうと (2010)
おかえり、はやぶさ (2012)

●ドラマ音楽
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宇宙船シリカ (1960-62) ※NHK放送の人形劇。
NHK大河ドラマ『花の生涯』 (1963) ※大河ドラマ第1作。
銀河少年隊 (1963-65) ※NHK放送の人形劇。
青年同心体 (1964-65)
宇宙人ピピ (1965-66) ※実写とアニメの合成によるドラマ。
キャプテンウルトラ (1967) ※初の東映制作の特撮ドラマ。
文五捕物絵図 (1967-68)
マイティジャック (1968)
三人の母 (1968-69)
プロファイター (1969)
窯ぐれ女 (1969)
夫婦の設計 (1969)
NHK大河ドラマ『天と地と』 (1969)
空中都市008 (1969-70) ※小松左京原作のSF人形劇。
だいこんの花 (1970)
柳生十兵衛 (1970)
花と龍 (1970)
男は度胸 (1970-71)
大忠臣蔵 (1971) ※テレビ朝日制作の大河ドラマ。予算10億円を注ぎ込んだ桁外れの大作だった。
NHK大河ドラマ『新・平家物語』 (1972) ※テーマ曲は後に『源氏物語幻想交響絵巻』の終曲に流用。
原生花園 アンラコロの花 (1972)
かあさんの四季 (1972-73)
二人の素浪人 (1972-73)
恐怖劇場アンバランス (1973) ※テーマ曲と一部エピソードの音楽を担当。
波の塔 (1973) ※日本で初めてシンセサイザーを用いたテレビドラマの劇伴。
無宿侍 (1973)
唖侍 鬼一法眼 (1973-74)
つらつら椿 (1973)
幡随院長兵衛お待ちなせえ (1974)
NHK大河ドラマ『勝海舟』 (1974)
座頭市物語 (1974-75)
七色とんがらし (1976)
海峡 (1981)
NHK大河ドラマ『徳川家康』 (1983)
正月時代劇「風光る剣」 (1997)
聖徳太子 (2001) ※NHK大阪新放送会館完成記念ドラマ。

●アニメ音楽
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ビッグX (1964-65)
新宝島 (1965)
ジャングル大帝 (1965-66) ※主題歌とエンディングも担当。ただしイメージソングは三木鶏郎が担当。
戦え!オスパー! (1965-67) ※日本テレビ初のアニメ作品。ただし映像は劣化が進んだフィルムの断片が現存するのみでほぼ消失。
展覧会の絵 (1966) ※ムソルグスキー『展覧会の絵』を素材にした虫プロの実験的短編アニメ。シンセサイザー導入前の独自の編曲。
新ジャングル大帝 進めレオ! (1966-67) ※ジャングル大帝の続編。主題歌は三木鶏郎が担当。ルネさん...。
リボンの騎士 (1967-68) ※主題歌とエンディングも担当。
おかしなおかしな星の国 (1968)
どろろ(どろろと百鬼丸) (1969)
寄生虫の一夜 (1972) ※久里洋二による実験的短編アニメ。シンセサイザーを用いた日本初のアニメ音楽の可能性があるとの事。

●アルバム
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月の光 (1974) ※クロード・ドビュッシーのピアノ曲のアレンジ。おそらく日本初の全編シンセサイザーによるアルバム。アメリカやイギリスではヒットチャート上位に入り、全米レコード販売者協会1974年最優秀クラシカル・レコードに選出された。
展覧会の絵 (1975) ★★ ※原曲:モデスト・ムソルグスキー。ピアノ原典版ではなくラヴェル編曲版が下敷きになっている。ビルボード・クラシカル・チャートで第1位を獲得。
火の鳥 (1975) ※原曲:イーゴリ・ストラヴィンスキー。日本版のジャケットは手塚治虫が描いた。
惑星 (1976) ※原曲:グスターヴ・ホルスト。編曲を禁止していたホルストの遺族と交渉を重ね制作に漕ぎ付けたという。宇宙旅行を意識した通信音声が加わっているなど構成面で改変が多く見られる。
宇宙幻想 (1978) ※様々なクラシック作品のコンピレーションアルバム。『スター・ウォーズのテーマ』も収録されている。
バミューダ・トライアングル (1978) ※マイコンに接続するとUFOからのメッセージが聞けるというギミック付きだった。ジャケットは横尾忠則。
ダフニスとクロエ (1979) ※モーリス・ラヴェルの楽曲のアレンジ。『ボレロ』『マ・メール・ロワ』も収録。
大峡谷 (1982) ※原曲:ファーディ・グローフェ(組曲「グランドキャニオン」)。グラミー賞ノミネート作品。
ドーン・コーラス (1984) ※クラシック作品のコンピレーションアルバム。宇宙からの電磁波を音源として使用する手法が行われた。タイトルは太陽風と地磁気の相互作用により生じるノイズの名称。リリース当時発生原理は未解明だった。
バッハ・ファンタジー (1996)